目次
- なぜ「完璧な仕様書」でも事故は起きるのか?
- 炎上を防ぐ「3段階のプロトタイプ」活用法
- 1. Lo-Fi(低忠実度)プロトタイプ:構成の合意
- 2. Hi-Fi(高忠実度)プロトタイプ:見た目と納得感
- 3. MVP(実稼働)プロトタイプ:業務適合性の確認
- コンサルタントが開発チームに送るべき「魔法の質問」
- まとめ:最高のシステムは「対話」から生まれる
コンサルタントとしてプロジェクトを推進する中で、最も背筋が凍る瞬間。 それは、数ヶ月かけて準備し、ようやく完成間近になったシステムをクライアントに見せた時、返ってくるこの言葉ではないでしょうか。
「……あれ、思ってたのと、なんか違いますね」
仕様書は完璧だったはず。定例MTGでも合意をとっていたはず。 なのになぜ、最後に「ちゃぶ台返し」が起きてしまうのか。
その原因は、ドキュメントベースのコミュニケーションに限界があるからです。 今回は、開発コードは書けないけれどプロジェクトを成功させたいコンサルタントの皆様へ、「炎上を未然に防ぐプロトタイプ活用術」を開発会社の視点からお伝えします。
なぜ「完璧な仕様書」でも事故は起きるのか?
非エンジニアのコンサルタントと、実作業を行うエンジニアの間には、構造的な「イメージのズレ」が生じます。
- コンサルタント: 「ビジネスゴール」と「機能要件」を重視する。
- エンジニア: 「データの構造」と「実装の整合性」を重視する。
- クライアント: 「操作感(触り心地)」と「自分の業務が楽になるか」を重視する。
どれだけ分厚い要件定義書を作っても、「触り心地」や「情報の優先順位」は、実際に動くものを見るまで誰にも共有されません。 納品直前の「思ってたのと違う」は、単なるわがままではなく、触ってみて初めて課題に気づいたという「情報のアップデート」なのです。
炎上を防ぐ「3段階のプロトタイプ」活用法
開発現場では、以下の3つのステップで「期待値の調整」を行うことを推奨しています。コンサルタントとして、開発チームにどの段階のものを、いつ見せてもらうべきかをコントロールするだけで、リスクは激減します。
1. Lo-Fi(低忠実度)プロトタイプ:構成の合意
紙のラフ書きや、Figmaで作った簡易的な画面遷移図です。
- 目的: 必要な機能が漏れていないか、画面の遷移に違和感がないかを確認。
- コンサルの役割: デザインの細部には触れず、「この画面でクライアントの課題が解決するか」という論理構造だけをチェックしてください。
2. Hi-Fi(高忠実度)プロトタイプ:見た目と納得感
本物のアプリに近いデザインを施したものです。
- 目的: クライアントの「ブランドイメージ」や「使い勝手」の違和感をあぶり出す。
- ポイント: ここで一度、クライアントのキーマンに「デモ」を依頼してください。この段階での修正なら、まだコードを書いていないため、コストは最小限で済みます。
3. MVP(実稼働)プロトタイプ:業務適合性の確認
一部の機能だけ実際に動くようにしたものです。
- 目的: 実際のデータを入れてみて、業務フローが回るかを確認。
- 重要: 「データを入れてみたら、意外と入力項目が多くて面倒だった」といった、実務レベルの不満をここで出し切らせます。
コンサルタントが開発チームに送るべき「魔法の質問」
プロトタイプを有効活用するために、ぜひ開発会社のディレクターやエンジニアにこう聞いてみてください。
「この機能、コードを書く前に『動くイメージ』をクライアントに見せられる状態にできますか?」
この一言があるだけで、開発側は「あ、このコンサルさんは手戻りのリスクを考えてくれているな」と察し、早期のデモ準備を提案してくれるようになります。
まとめ:最高のシステムは「対話」から生まれる
システム開発は、家を建てるのに似ています。 設計図だけで完成まで突き進むのではなく、途中で現場に足を運び、「ここに窓があったら光が入りますね」と会話するプロセスが必要です。
プロトタイプは、コンサルタント、クライアント、エンジニアの3者を繋ぐ「共通言語」です。
もし、今動いているプロジェクトで「クライアントの要件がふわふわしていて不安だ」と感じているなら、ぜひ一度私たちに相談してください。コードを書く前に、まずは「共通のイメージ」を作るお手伝いをさせていただきます。
あなたが現場で見つけた課題を、私たちがどう形にできるか、いつでも壁打ち相手になります。まずは一言、「こんな現場があるんだけど」と連絡をいただければ幸いです。
https://timerex.net/s/k.jimichi_d513/b28713d2/

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