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Googleフォームの回答を「至急」「通常」で自動判別・色分けするGASの作り方

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Googleフォームで受けた問い合わせや申請、全部同じ色でスプレッドシートに並んでいませんか。至急対応が必要な件と、後で確認すれば良い件が同じ見た目で混在していると、優先順位の判断に余計な時間がかかります。「確認漏れ」が発生すると、クレームや機会損失に直結することもあります。

フォーム回答の管理でよくあるのが、こんな状況です。

  • 受け取った順に並んでいるだけで、緊急度が一目でわからない
  • 「あの申請、どこいった?」と過去のシートを遡るのに時間がかかる
  • 担当者が変わったとき、対応済みかどうかの引き継ぎが口頭頼り

本記事では、GoogleフォームとGASを連携して、回答の重要度を自動で判別し、スプレッドシートの行を自動色分けする仕組みの作り方を解説します。フォームの作り方・コードの各行解説・トリガー設定・応用パターン(優先度3段階・Slack通知連携・既存スプレッドシートへの適用)・よくある疑問Q&Aまで網羅します。完全なGASコードも掲載しているので、コピペで今日から使えます。


目次

この仕組みが役立つ業務シーン

まず「どんな場面で使えるのか」を具体的にイメージしてみましょう。「至急フラグ付きフォーム」が活きる業務はかなり幅広いです。

① 問い合わせフォーム(クレーム・緊急不具合を優先対応)

② 社内申請フォーム(当日締め切り・予算超過案件を即把握)

③ クレーム受付(感情強めの文言を含む回答を自動検出)

④ 修理・サポート依頼(「今すぐ使えない」「データが消えた」などの緊急語を検知)

⑤ イベント参加申し込み(「当日キャンセル」「特別対応希望」をフラグ立て)

共通しているのは「受け取った内容の重要度に差があり、優先度を素早く判断したい」という業務です。これがGASで自動化できると、担当者が一件一件確認する必要がなくなります。

色分けの基準は「フォームに選択肢を作る方法」と「回答テキストをGASでキーワード判定する方法」の2種類があります。この記事では両方を紹介しますが、まずはフォームに「重要度」選択肢を追加する方法が最もシンプルで確実です。


Googleフォームの作り方。どんな質問項目にするか

フォームの設計が色分けの精度を左右します。問い合わせ内容の重要度を判別するには、「重要度」や「緊急度」を明示的に選択させる質問を追加するのが最も確実な方法です。

基本的なフォーム設計の例を示します。問い合わせフォームの場合、以下のような質問項目を設定します。

① お名前(短文テキスト・必須)

② メールアドレス(メールアドレス・必須)

③ お問い合わせ内容(長文テキスト・必須)

緊急度(プルダウンまたはラジオボタン・必須)

選択肢:「至急(24時間以内に対応が必要)」「通常(3営業日以内)」「低(1週間以内でOK)」

④の質問が色分けの基準になります。「至急」「通常」「低」のような選択肢にすることで、GASが回答データから一致する文字列を検出して色を判定できます。

選択肢のテキストとGASコード内の比較文字列は完全一致にする必要があります。「至急(24時間以内に対応が必要)」という選択肢にした場合、コード内の比較も `’至急(24時間以内に対応が必要)’` にする必要があります。

フォームを作ったら、「回答」タブからスプレッドシートと連携します。「スプレッドシートにリンク」または「スプレッドシートを作成」を選択すると、回答が自動でスプレッドシートに記録されます。

至急フラグ付きGoogleフォームの画面

スクリプトエディタでGASコードを設置する。各行解説付き

スプレッドシートを開いた状態で「拡張機能」→「Apps Script」を開きます。以下の完全版コードを貼り付けてください。各行にコメントを入れているので、何をしているかを確認しながら読めます。


// ================================================================
// 関数①:フォーム送信時に自動で色分けするトリガー用関数
// フォームに新しい回答が届くたびに、この関数が自動で呼び出されます
// ================================================================
function colorCodeFormResponse(e) {
  // 【1】現在開いているスプレッドシートのアクティブシートを取得します
  var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet();
  
  // 【2】最終行の行番号を取得します(今回送信された回答は最終行に入ります)
  var lastRow = sheet.getLastRow();

  // 【3】最終行の全データを配列として取得します
  // getRange(行, 列, 行数, 列数) の形式です
  var rowData = sheet.getRange(lastRow, 1, 1, sheet.getLastColumn()).getValues()[0];
  // rowData[0]はA列、rowData[1]はB列……という形式になります

  // 【4】重要度(緊急度)が入っている列のインデックスを指定します
  // フォームの質問が「タイムスタンプ→名前→内容→緊急度」の順なら、緊急度はインデックス3です
  // ※インデックスは0始まりです(0=A列、1=B列、2=C列、3=D列)
  var priorityColumnIndex = 3; // ← フォームの構成に合わせて変更してください
  var priority = rowData[priorityColumnIndex];

  // 【5】最終行の全列を範囲として取得します
  var rowRange = sheet.getRange(lastRow, 1, 1, sheet.getLastColumn());

  // 【6】重要度の値に応じて背景色を設定します
  // setBackground()の引数は16進数カラーコードです
  if (priority === '至急') {
    rowRange.setBackground('#FF6B6B'); // 赤系(目立つ・緊急を意識)
  } else if (priority === '通常') {
    rowRange.setBackground('#FFF9C4'); // 黄色系(注意を要する)
  } else if (priority === '低') {
    rowRange.setBackground('#C8E6C9'); // 緑系(落ち着いた印象)
  } else {
    rowRange.setBackground('#FFFFFF'); // 白(該当なしのデフォルト)
  }
  
  Logger.log('色分け完了: 行' + lastRow + ' 重要度=' + priority);
}


// ================================================================
// 関数②:キーワードで自動判定する関数(選択肢なしのフォーム向け)
// 自由記述欄の文言にキーワードが含まれているか判定します
// ================================================================
function colorByKeyword(e) {
  var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet();
  var lastRow = sheet.getLastRow();
  var rowData = sheet.getRange(lastRow, 1, 1, sheet.getLastColumn()).getValues()[0];

  // 【1】全列のテキストを1つの文字列に結合してキーワードチェックします
  var fullText = rowData.join(' ');
  
  // 【2】至急判定に使うキーワードリストです(業務に合わせて編集してください)
  var urgentKeywords = ['至急', '緊急', '今すぐ', 'ASAP', '助けて', 'エラー', '動かない', '壊れた', '対応できない', '困っています'];
  
  // 【3】someはリストの中に1つでも条件を満たすものがあればtrueを返します
  var isUrgent = urgentKeywords.some(function(keyword) {
    return fullText.indexOf(keyword) !== -1; // indexOf は文字列が見つかればその位置、なければ-1を返します
  });

  var rowRange = sheet.getRange(lastRow, 1, 1, sheet.getLastColumn());

  // 【4】キーワードが見つかれば赤、なければ薄青に設定します
  if (isUrgent) {
    rowRange.setBackground('#FF6B6B');
  } else {
    rowRange.setBackground('#E3F2FD'); // 薄い青(通常回答)
  }
  
  Logger.log('キーワード判定完了: ' + (isUrgent ? '至急' : '通常'));
}


// ================================================================
// 関数③:既存のすべての回答を一括で色分けし直す関数
// フォームにすでに回答が溜まっている場合に一度だけ手動実行します
// ================================================================
function recolorAllRows() {
  var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet();
  var lastRow = sheet.getLastRow();

  // データが1行しかない(ヘッダーのみ)場合はアラートを出して終了します
  if (lastRow < 2) {
    SpreadsheetApp.getUi().alert('データがありません。');
    return;
  }

  var priorityColumnIndex = 3; // colorCodeFormResponseと同じ列番号にしてください
  var count = 0;

  // 2行目から最終行まで1行ずつ処理します
  for (var i = 2; i <= lastRow; i++) {
    // priorityColumnIndex + 1は0始まりのインデックスを1始まりの列番号に変換しています
    var priority = sheet.getRange(i, priorityColumnIndex + 1).getValue();
    var rowRange = sheet.getRange(i, 1, 1, sheet.getLastColumn());

    // 重要度に応じて色を設定します
    if (priority === '至急') {
      rowRange.setBackground('#FF6B6B');
    } else if (priority === '通常') {
      rowRange.setBackground('#FFF9C4');
    } else if (priority === '低') {
      rowRange.setBackground('#C8E6C9');
    } else {
      rowRange.setBackground('#FFFFFF');
    }
    count++;
  }

  SpreadsheetApp.getUi().alert(count + '行の色分けが完了しました。');
}
自動色分けされたスプレッドシート

このコードの `priorityColumnIndex` は、フォームの構成に合わせて変更が必要です。フォームの最初の列がタイムスタンプ(インデックス0)、次が名前(1)、内容(2)、緊急度(3)なら `3` を入力してください。インデックスは0始まりであることに注意してください。


フォーム送信トリガーを設定する

コードを保存したら、フォームが送信されるたびに自動で `colorCodeFormResponse` が実行されるよう、トリガーを設定します。トリガーを設定しないと、フォームが送信されても自動で色分けされません。

トリガーの設定手順はこのとおりです。

① スクリプトエディタ左サイドバーの時計マーク(トリガー)をクリック

② 右下の「トリガーを追加」をクリック

③ 実行する関数: `colorCodeFormResponse` を選択

④ イベントのソース: 「スプレッドシートから」を選択

⑤ イベントの種類: 「フォーム送信時」を選択

⑥ 「保存」をクリック

トリガー設定画面

トリガー設定時にも「許可」の確認画面が表示されます。初回は「詳細」→「安全でないページに移動」→「許可」の順にクリックしてください。これを完了しないとトリガーが正常に動作しません。許可後は「トリガー一覧」画面に設定したトリガーが表示されていることを確認してください。

これでフォームに新しい回答が届くたびに、自動で色分けが実行されます。


既存の回答を一括で色分けし直す

フォームにすでに回答が溜まっている場合は、`recolorAllRows` 関数を手動で一度実行してください。スクリプトエディタ上部のドロップダウンで `recolorAllRows` を選択してから「実行」ボタンを押します。

全行が一括で色分けされます。今後は新しい回答が来るたびに自動で色がつくので、この手動実行は最初の一度だけで構いません。

この仕組みで実現できること:①フォーム送信のたびに自動で重要度を色分け、②キーワード判定で「至急」文言を含む回答を自動検出、③既存の全回答を一括で色分け直し、④ツールの追加や費用なし・GASだけで完結。


応用パターン①:優先度3段階から5段階へ拡張する

「至急・通常・低」の3段階では粒度が足りないという場合、選択肢と色を増やすだけで5段階にも対応できます。コードの色分け部分を以下のように書き換えてください。


// 5段階の優先度色分け(colorCodeFormResponse内の色分け部分を置き換えます)
if (priority === '最優先(今日中)') {
  rowRange.setBackground('#FF0000'); // 濃い赤
} else if (priority === '至急(24時間以内)') {
  rowRange.setBackground('#FF6B6B'); // 赤系
} else if (priority === '高(3営業日以内)') {
  rowRange.setBackground('#FFB347'); // オレンジ系
} else if (priority === '通常(1週間以内)') {
  rowRange.setBackground('#FFF9C4'); // 黄色系
} else if (priority === '低(いつでもOK)') {
  rowRange.setBackground('#C8E6C9'); // 緑系
} else {
  rowRange.setBackground('#FFFFFF'); // 白
}

応用パターン②:Slack通知連携

「至急」の回答が届いたらSlackに通知する機能もGASで追加できます。SlackのWebhook URLが必要です。`colorCodeFormResponse` 関数の色設定の後に以下のコードを追記してください。


// 至急の場合はSlackに通知する(colorCodeFormResponse内に追記します)
if (priority === '至急') {
  // SlackのIncoming Webhook URLを設定します
  // https://api.slack.com/messaging/webhooks からWebhook URLを取得してください
  var slackWebhookUrl = 'https://hooks.slack.com/services/YOUR/WEBHOOK/URL'; // ← 自分のURLに変更
  
  var slackMessage = {
    text: '【至急】新しいフォーム回答が届きました。\n' +
          '送信者: ' + rowData[1] + '\n' +  // インデックス1(名前の列)
          '内容: ' + rowData[2].substring(0, 100) + '...', // インデックス2(内容の列)最初の100文字
    username: 'フォーム通知Bot',
    icon_emoji: ':rotating_light:'
  };
  
  // Slackに通知を送信します
  var options = {
    method: 'post',
    contentType: 'application/json',
    payload: JSON.stringify(slackMessage)
  };
  
  UrlFetchApp.fetch(slackWebhookUrl, options);
  Logger.log('Slack通知を送信しました');
}

フォームの回答管理をスプレッドシートの色で視覚化するだけで、優先順位の判断にかける時間が大幅に減ります。


応用パターン③:フォームを使わず既存スプレッドシートに適用する方法

「すでにスプレッドシートでデータを管理しているが、色分けだけ自動化したい」という場合も対応できます。既存のスプレッドシートに対して `recolorAllRows` を実行するか、スプレッドシートが編集されるたびに色分けをやり直す設定を使います。

トリガーを「フォーム送信時」ではなく「スプレッドシートを編集時」に変更することで、フォームなしのスプレッドシートでも自動色分けが機能します。


// スプレッドシート編集時に色分けを更新する関数
// トリガーの「イベントの種類」を「編集時」に設定して使います
function onEditColorCode(e) {
  var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet();
  var editedRow = e.range.getRow(); // 編集された行の番号を取得します
  
  if (editedRow < 2) return; // ヘッダー行は除外します
  
  var priorityColumnIndex = 3; // 重要度の列インデックス(0始まり)
  var priority = sheet.getRange(editedRow, priorityColumnIndex + 1).getValue();
  var rowRange = sheet.getRange(editedRow, 1, 1, sheet.getLastColumn());
  
  // 重要度に応じて色を設定します
  if (priority === '至急') {
    rowRange.setBackground('#FF6B6B');
  } else if (priority === '通常') {
    rowRange.setBackground('#FFF9C4');
  } else if (priority === '低') {
    rowRange.setBackground('#C8E6C9');
  } else {
    rowRange.setBackground('#FFFFFF');
  }
}

このコードをスクリプトエディタに追加し、トリガーを「スプレッドシートから」→「編集時」に設定することで、フォームとは関係なく、スプレッドシートを直接編集したときにも色分けが自動更新されます。

色のカスタマイズは `setBackground(‘#FF6B6B’)` の16進数カラーコードを変更するだけです。会社のコーポレートカラーや、チームで使っている色分けルールに合わせて自由に変えられます。Google「カラーピッカー」と検索すると好きな色の16進数コードを確認できます。


よくある疑問Q&A

GASのフォーム色分け仕組みを作る際に多く寄せられる疑問をまとめました。

Q:スプレッドシートが他の人と共有されていない場合は動きますか?

A:GASはスクリプトを実行するGoogleアカウントの権限で動作します。自分のアカウントが対象スプレッドシートの編集権限を持っていれば、共有設定に関わらず動作します。チームメンバーが同じスプレッドシートを使う場合は、全員が同じGoogleアカウントか、スプレッドシートを編集共有にしておく必要があります。

Q:フォームが100件以上来たら処理が重くなりませんか?

A:`recolorAllRows`(全件処理)は100件程度なら数秒で完了します。1,000件を超えると数十秒かかることがありますが、毎回全件処理するわけではなく、新規回答の都度処理(`colorCodeFormResponse`)は1行だけの処理なので影響を受けません。大量データを一括処理する場合は、処理を分割するか翌日に実行するようにしてください。

Q:「フォーム送信時」トリガーと「編集時」トリガーの違いは?

A:「フォーム送信時」はGoogleフォームに回答が来たときだけ動作します。「編集時」はスプレッドシートを直接編集したときに動作します。フォームを使っているなら「フォーム送信時」、スプレッドシートを直接入力しているなら「編集時」を選んでください。

Q:色分けの設定を途中で変更したくなったら?

A:コード内の `setBackground(‘#FF6B6B’)` の16進数カラーコードを変更して保存するだけです。変更後は新しい回答から新しい色が適用されます。既存の行を新しい色に更新したい場合は `recolorAllRows` を手動実行してください。

Q:「至急」の回答に対してメール通知も送れますか?

A:送れます。`colorCodeFormResponse` 関数の色設定の後に `GmailApp.sendEmail(recipient, subject, body)` を追加するだけです。この記事の「色分け後に即メール通知」応用パターンとして前の節で紹介したコードをそのまま使えます。

GASのトリガー設定は「一度設定したら自動でずっと動き続ける」のが最大の特徴です。フォームが来るたびに毎回手動で色を塗る作業が、初期設定の15分で永久に不要になります。


「見て判断する」から「見れば分かる」状態へ

フォームの回答を一件一件開いて重要度を判断していた作業が、色を見るだけになります。チームメンバーに共有しても、ルールの説明なしに「赤は至急」と直感で伝わります。

スプレッドシートを開いた瞬間に優先対応すべき件が赤で目立っている状態は、担当者の判断ストレスを大幅に減らします。特に複数人でフォームを共有管理している場合、引き継ぎの説明コストも下がります。

仕組みを一度作ってしまえば、あとはフォームに回答が来るたびに自動で動き続けます。

「自分のフォームに合わせてカスタマイズしたい」「キーワードのリストを業務に合わせて調整したい」「Slack通知も一緒に設定したい」という方は、LINEでご相談ください。

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