「いつまでエクセルで消耗するの?」に答える前に、SaaSに乗り換えなかった場合のコストを試算してみた
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「うちはエクセルで十分」という言葉、チームで何度聞いてきたでしょうか。
- 毎朝、前任者が作ったファイルを開くたびに「どこが最新版だっけ」と検索している
- 月次の報告書をまとめるとき、部署ごとのファイルをかき集めて一つにコピペしている
- 在庫管理ファイルが3つあり、どれが正しいか誰も分からなくなっている
こういった状況が「当たり前」になっていると、コストとして見えにくくなります。でも、時給換算して合計してみると、エクセル管理を続けることで年間に失われている時間とコストは、想像よりずっと大きい数字になります。 地道ラボでは、「乗り換えコスト」より先に「乗り換えなかった場合のコスト」を試算することを、DX検討の第一歩として位置づけています。
エクセルで消耗している「あるある」を具体的なシーンで見てみる
「エクセルの限界」という話をすると「分かってはいるんですが…」という反応が返ってくることが多いのですが、それは「なんとなく不便」の感覚が数字になっていないからです。「一日のどのシーンで、何分を失っているか」を具体的に書き出してみると、感覚が数字に変わります。
シーン1:ファイルのバージョン管理に消える時間
「顧客リスト_最終版_v3_修正済み_20250420.xlsx」というファイル名、見たことありませんか。これは誰かが「間違って上書きすると困る」と考えた結果の産物ですが、5人のチームで5人が同様のことをすると、毎回「どれが本当の最新版か」を探す作業が発生します。
朝9時に会議資料を作ろうとして、ファイルを探して確認して、「これで合ってますか?」とSlackで聞いて、返事を待って、を繰り返すと、20〜30分があっという間に消えます。これが週5回、月20回起きると、それだけで月6〜10時間の損失です。
シーン2:コピペ転記に費やされる集中力
月末の売上集計作業で、各営業担当者のエクセルからデータを集めてコピペする作業を想像してください。「A列を選択してコピー、別のシートに貼り付け、形式が合わない、行を揃えて…」を担当者10名分繰り返すと、軽く2〜3時間かかります。しかもこの作業は「間違えないことが前提」なので、集中力を大量に消費する割に、完成しても誰にも評価されない地味な仕事です。
シーン3:リアルタイム共有できないことで生まれる確認コスト
エクセルファイルを共有フォルダに置いている場合、誰かが開いているとロックがかかって「読み取り専用で開いています」と表示されます。確認したいデータがあるのに「今Aさんが開いてるから待って」という状況が、チームの中でどれだけのストレスを生んでいるか、集計したことはあるでしょうか。
営業部門では「訪問前に顧客情報を確認したいのに、事務スタッフがファイルを開いていて見られない」というケースが頻出します。この「待ち時間」は1回あたり5〜15分でも、月に積み上がると相当な時間になります。
一番怖いのは「エクセル作業を誰かが辞めたとき」です。ファイルの構造を理解しているのが1人だけ、という状況は中小企業でよくあります。その人が退職・産休・急病になった瞬間に、業務が止まる「属人化リスク」を多くの企業が抱えています。
乗り換えなかった場合のコストを試算する

「SaaSに乗り換えると費用がかかる」という視点は正しいのですが、「エクセルのまま続けると費用がかからない」という前提は間違っています。「ツール代がゼロ」と「コストがゼロ」は全く別の話です。
実際に試算してみましょう。
ケーススタディ:社員10名・営業チーム5名の中小企業
| エクセル作業の内容 | 週あたりの損失時間(推定) | 年間(50週) |
|---|---|---|
| ファイル探し・バージョン確認 | 2時間 | 100時間 |
| 月次データのコピペ転記 | 1時間(月4時間) | 50時間 |
| 「ロック中」の待ち時間 | 1時間 | 50時間 |
| メールでのファイル送受信・確認 | 1時間 | 50時間 |
| 合計 | 約5時間 | 約250時間 |
250時間を時給換算してみます。仮に担当者の時給相当を3,000円(年収500万円クラスの概算)とすると、250時間×3,000円=年間75万円の「見えないコスト」が発生していることになります。
これは1人の場合の試算です。チーム5人全員が同様の非効率を抱えているなら、単純計算で年間375万円になります。
「kintoneのスタンダードコースは月額1,500円/ユーザーなので、5名なら月7,500円・年間9万円」という事実と比較すると、どちらがコストの問題なのかが見えてきます。
「ツール代がかかる」という議論は、「75万円の損失を続けるか、9万円のツール代を払うか」という話に置き換えるべきです。
試算の3ステップ ① 週あたりのエクセル関連ロス時間を書き出す ② 担当者の時給相当(年収÷2000)を掛ける ③ 「ツール代」と「ロスコスト」を比較する この3ステップで「導入検討」ではなく「導入判断」の話になります
SaaSに移行して「何が変わったか」のビフォーアフター
「コスト面では分かった。でも実際に何が変わるの?」という疑問に答えます。ツールが変わると「作業」が変わり、「作業」が変わると「使える思考の時間」が変わります。
kintoneを導入した製造業(社員30名・小ロット対応の金属加工会社)
導入前は、受注管理・進捗管理・請求管理の3つをそれぞれ別のエクセルで管理していました。受注が入ったら①受注一覧に追記→②工程管理シートに転記→③担当者に電話かメール、という3ステップを毎回繰り返していました。転記ミスが月2〜3件発生し、その都度確認と修正が発生していました。
kintone導入後は、受注入力が1回で完結し、同じデータが各担当者の画面にリアルタイムで反映されます。転記ミスがゼロになり、受注処理時間が1件あたり15分から5分に短縮。月50件なら月166時間の削減です。
Google Workspaceを導入した不動産管理会社(社員15名)
顧客情報・物件情報・契約情報の管理をエクセル+メールで行っていました。「どの物件の話かメールを遡らないと分からない」という状況が常態化していました。
Google Workspaceへの移行後、Google Sheetsで情報を一元管理し、Googleドライブで書類を紐づけたことで、顧客対応時の情報検索が平均8分から1分以下に短縮。「物件情報を探す」という作業自体がほぼなくなりました。社員からは「アポの直前に情報確認できるようになった」という声が出ています。
SaaS移行で変わる3つのこと ① データが「最新の1か所」に集まる(バージョン管理不要) ② 転記・コピペ作業がなくなる(人為ミスがなくなる) ③ 場所・端末を選ばず確認できる(外出先・テレワーク対応)
30代マネージャーが今動く理由

ここからは、少し直接的な話をさせてください。
現在30代でチームマネージャーをしている方に、特に伝えたいことがあります。DXを「上の判断待ち」にしている間に、競合他社との差は着実に広がっています。
2024年のMicrosoft Work Trend Indexによれば、AIや自動化ツールを活用している社員とそうでない社員の間で、同じ時間に処理できる業務量に明確な差が生まれていることが示されています。同じ時間、同じ給料で、使えるツールの差がアウトプットの差に直結する時代に入っています。
30代のマネージャーにとって、これは単なる「効率化」の話ではありません。チームとして成果を出し、組織から評価される仕事をするために、チーム全体の生産性を引き上げる手段を知っているかどうかが問われます。
「上が決めてくれたら動く」という姿勢は、「自分で現場の課題と解決策を提案できる人」との差を広げていきます。エクセル管理の非効率さと、SaaS導入後の試算を「自分で調べて提案した」という実績は、マネージャーとしての評価に直接つながります。
また、チームへの影響も無視できません。毎日コピペ転記をさせられているメンバーは、それを「自分の成長になる仕事」とは感じていません。 属人的なファイル管理を強いられているメンバーは、「この会社では自分のスキルが活かせない」と感じ始めます。離職の原因の一つに、「業務ツールが古い・非効率」があることはマネジメントの領域として認識しておく必要があります。
「エクセルで十分」と言い続けることは、チームの時間とモチベーションを少しずつ消耗させ続けることでもあります。
SaaSの選び方——規模・業種・予算別の目安
「じゃあどのSaaSを選べばいいか」という疑問に答えるために、代表的なツールの使い分けを整理します。「とりあえず有名なもの」を導入するのではなく、「チームの規模・業種・予算」に合ったものを選ぶことがスモールスタートの成功条件です。

| ツール | 得意な用途 | 向いている規模 | 料金目安 | エクセルとの違い |
|---|---|---|---|---|
| **kintone** | 業務アプリ作成・社内データ管理 | 10〜1000名 | 月1,500〜1,800円/ユーザー | ノーコードでデータベース化。転記不要 |
| **Google Workspace** | 文書作成・スプレッドシート・メール・カレンダーの統合 | 2〜10,000名 | 月680〜2,040円/ユーザー | リアルタイム共有・ロック不要 |
| **Notion** | 情報管理・プロジェクト管理・wiki | 2〜500名 | 無料〜月1,650円/ユーザー | テキスト・DB・タスクが1画面で完結 |
| **Airtable** | スプレッドシート×データベース | 5〜500名 | 無料〜月20ドル/ユーザー | エクセル感覚でDB操作・API連携が容易 |
使い分けの考え方
「今エクセルでやっていることのうち、何が最も時間を取っているか」から選ぶのがベストです。
転記・コピペが多い場合はkintoneが最も効果が出やすいです。理由は「入力→自動反映」の仕組みが設計しやすいためです。既にGmailを使っている会社なら、Google Workspaceへの移行が最も摩擦が少ないです。Googleアカウントを持っていればスムーズに導入できます。チーム内の情報共有・議事録・マニュアルを整理したいなら、Notionから始めると変化を感じやすいです。無料プランから試せるのも利点です。
スモールスタートの具体的な進め方——1ヶ月で何ができるか
「導入する」と決めてから「全社展開」まで一気に進める必要はありません。むしろ一気に進めようとすることが失敗の最大の原因です。1ヶ月で「試す→確認する→広げるかどうか判断する」のサイクルを1回まわすことが、成功率を上げる進め方です。
1週目:課題の棚卸しとツール選定
「今エクセルでやっていること」をリストに書き出します。次に「この中でいちばん時間がかかっていること」「一番ミスが多いこと」を1〜2個に絞ります。その課題に最もマッチするツールを選び、無料トライアルまたは最小人数で契約します。
2〜3週目:小規模チームでの試用
5名以下の小グループで実際に使い始めます。この段階では「完璧に使いこなすこと」を目指さないことが重要です。「エクセルでやっていた作業Xをこのツールでやってみる」という1用途に絞ることで、比較がしやすくなります。
「このツールを使ったら、作業Xにかかる時間がどう変わったか」を記録しておきましょう。この記録が、全社展開の稟議書で使える根拠になります。
4週目:評価と拡張判断
試用期間の記録をもとに、「費用対効果があるか」「他の業務にも展開できるか」を評価します。このタイミングで「チーム全体に広げる」か「別の用途で続ける」か「一旦止める」かを判断します。
「1ヶ月試して止める」は失敗ではありません。「何が合わなかったか」が分かることが次の判断の材料になります。
スモールスタートで「やらないこと」リスト ● 最初から全社展開を目指さない ● 既存エクセルをすべて移行しようとしない ● ツールの全機能を習得してから使い始めようとしない まず1用途・1チームで「比較できる状態」を作ることが先決です
乗り換えに失敗するパターンと回避策
SaaSへの移行が途中で頓挫するケースには、ほぼ共通したパターンがあります。事前に知っておくと、同じ轍を踏まずに済みます。
パターン1:「全部移行してから使う」という発想
「古いデータを全部移行し終わってから新しいシステムを使う」という進め方は、移行作業だけで数ヶ月かかり、その間に熱量が下がって頓挫します。「新しい案件・情報からSaaSで管理し、古いデータは必要になったら都度参照する」という切り替え方の方が現実的に機能します。
パターン2:「現場が慣れていない」で戻ってしまう
ツールを導入して2週間後に「やっぱりエクセルの方が早い」という意見が出るのは、ほぼ必ず起きます。これは「ツールが悪い」のではなく「慣れていないだけ」です。最初の1ヶ月は「以前より時間がかかっている感覚」があって当然なので、3ヶ月後の比較を前提に続ける合意をチーム内で作っておくことが重要です。
パターン3:管理者だけが頑張って現場がついてこない
マネージャーが一人でSaaSを使い始めても、チームが使わなければ効果はゼロです。「最初の設定と使い方の説明」を一回やって終わりではなく、「週に一回、使っていて困ったことを聞く時間を設ける」という小さなサポート体制が定着を左右します。
「現場が嫌がるから導入しない」では、現場の非効率を守り続けることになります。現場が嫌がる最大の理由は「変化が面倒だから」であり、それは「慣れれば消える」性質のものです。一方で、エクセル管理のまま続くコストは複利で積み上がっていきます。
SaaS×AIで実際に改善した事例——数字で見る変化
SaaSに移行した上でAIツールを組み合わせると、効果がさらに大きくなります。単なるDXではなく、「自動化できる部分はAIが担う」状態になるからです。
カスタマーサポート部門でkintone+ChatGPT APIを連携した企業(社員50名・EC事業者)では、問い合わせへの初回回答作成時間を1件あたり8分から1.5分に短縮しました。 月500件の問い合わせがある場合、月54時間の削減です。年間に換算すると648時間、時給3,000円換算で約194万円の削減効果です。
Notionをナレッジベースとして使い、AIを使って社内FAQ自動生成を行っている会社では、新人の「調べ方が分からない」時間が大幅に減り、独り立ちまでの期間が3ヶ月から6週間に短縮された事例もあります。
これらの事例に共通しているのは、「SaaSでデータを整理した後、AIと連携させる」という順序です。エクセルのまま「AIを使おう」としても、データが散在していてAIが処理できる形になっていないことが多いです。SaaSへの移行は、AI活用の土台を作ることでもあります。
今動かなかった場合のシナリオを描いてみる
ここまで読んで「分かった、でも今はタイミングじゃない」と感じているなら、「今動かなかった場合に1年後どうなっているか」を一度考えてみてください。
エクセル管理のロスコスト(年間75万円・5名チームで375万円)は来年も同じように積み上がります。競合他社がSaaSとAIを組み合わせた体制を整えていれば、同じ業務量をより少ない人数でこなせるようになります。採用市場では「DXが進んでいない会社」というイメージが付き始め、特に若い世代の採用で影響が出やすくなります。
「変えない理由」を探し続けることもコストです。 試算を出して、比較して、「それでも今は動かない」という判断をするのはあなたの選択です。でも「コストが分からないから判断できていない」状態のまま止まり続けることは、判断ではなく先送りです。
地道ラボでは、「エクセル管理を続けているコスト試算」と「移行した場合のコスト比較」を一緒に整理して、「動くか動かないか」の判断材料を作るお手伝いをしています。
「ちょっと聞いてみたい」だけでもOK! ツールや業務効率化についての相談をすべて1対1で丁寧にお答えします。 まずはお気軽にメッセージをどうぞ!LINE公式アカウントはこちら!
申し込みはLINEで「無料DX診断」または「診断」とメッセージを送るだけです。現状の業務フローをヒアリングして、御社の規模・業種・予算に合ったSaaSの選択肢と、移行した場合のコスト試算を提示します。
大げさなコンサルティングではなく、明日から試せる具体的な一歩をお伝えするのが私たちのスタイルです。
「エクセルで消耗し続けるコスト」を可視化して、その次の選択を、今日ここから踏み出しませんか。
次の一歩として、まずは「今エクセルで管理している業務のうち、一番時間がかかっているもの」を一つ教えてください。そのロスコストを試算し、最も効果の出やすいSaaSの候補を具体的に提案します。


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