「面談調整で午前が終わった」を終わらせる。スプレッドシート可視化とSpir/TimeRex連携で日程管理を半自動化する
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「今週何件の面談を入れましたか?」と聞くと、人材紹介・派遣業界のコンサルタントの多くが「よく分からないまま埋まっている」と答えます。スケジューラーが気づいたら空白だらけになっていて、慌てて候補日を送り、やっと返信が来たと思ったら先方の都合が変わっていた——そんな日常、心当たりはありませんか。
面談日程の調整は、毎日こなしているうちに「そういうもの」として受け入れてしまいがちです。でも実際に工数を計測してみると、
- 1往復のメールで10〜15分かかっている
- 調整が決まるまで平均3.5往復のやり取りが発生している
- 候補日の重複確認と転記作業が1件あたり5分ほど発生している
この3つを掛け合わせると、週に20件の面談を回す担当者は、日程調整だけで週に4〜5時間を使っていることになります。1日あたり約1時間。午前中がそれで消えたと感じるのも、数字で見れば当然のことです。
地道ラボでは、スプレッドシートによる枠の可視化とSpir・TimeRexの組み合わせで、この調整コストを大幅に圧縮する方法を提案しています。本記事では、現場で起きている問題の構造から具体的なシート設計・ツールの使い方・連携フローまで、順番に解説していきます。
メールとエクセルで動かしている日程調整の現実
多くの現場では、面談の日程調整を「Outlookのカレンダーを見ながらメールで候補日を提示する」という方法で行っています。担当者1人が週20件の面談を管理しながら、同時に新規候補者への対応や企業側との連絡も行うとなると、この方法の限界が早々に見えてきます。
最も典型的な問題は「二重予約」です。メールで候補日を送った後、別のやり取りで同じ時間帯を別の相手にも提示してしまい、どちらかに謝罪の連絡を入れることになる。1回や2回であればミスで済みますが、週に1件以上このトラブルが起きている職場は珍しくありません。
もう一つが「未返信の見落とし」です。候補日を送った後、返信が来ていないことに2〜3日後に気づいた——という経験は、多くの担当者が持っています。メールの受信トレイで追うには件数が多すぎるため、どこかに埋もれてしまうのです。追いかけのメールを入れる手間も含めると、1件あたりの調整工数はさらに膨らみます。
そして最も根深い問題が、「空き枠の全体像が誰にも見えていない」という状態です。チームで共有するカレンダーがあっても、「誰が何件入れているか」「今週はまだ何枠空いているか」が一目でわかる仕組みがなければ、各自がバラバラに動き続けることになります。
エクセルで管理している場合の追加リスク——ローカル保存のファイルは他者がリアルタイムで見られない、上書き保存のタイミングで情報がずれる、担当者が休むと他の人が状況を把握できない、という三重の問題が生じます。
スプレッドシートで面談枠を「見える化」する設計
まず土台として、Googleスプレッドシートで面談枠の全体を管理するシートを作ります。ここでの目的は「誰でも今週の空き状況と調整中案件を把握できる状態を作る」ことです。
列構成の基本は7項目です。日付・時間帯・候補者名・企業名・ステータス・担当コンサルタント・備考。この7列を1行で表現することで、1シートで週の全案件を俯瞰できます。
日付 | 時間帯 | 候補者名 | 企業名 | ステータス | 担当 | 備考
「ステータス」列には「空き・調整中・確定・キャンセル」の4択でドロップダウンを設定します。Googleスプレッドシートなら「データ」→「データの入力規則」から選択肢リストを作成できます。

条件付き書式を使えば、ステータスを色で区別できます。設定方法は次の通りです。「表示形式」→「条件付き書式」を開き、「カスタム数式」で `=$E2=”確定”` と入力してセル背景を緑に設定します。同様に「調整中」を黄色、「キャンセル」をグレーにすれば、シートを開いた瞬間に全体の状況が把握できます。
この設定をするだけで、
- どの枠が埋まっているか一覧できる
- 調整中のまま止まっている案件が一目で分かる
- チーム全員が同じシートを見て状況を共有できる
という状態になります。ここまでの設定で、二重予約の防止と「状況が誰にも見えない」問題のほぼ9割は解消できます。
シートは曜日ごとにタブを分けるより、1週間分を1シートで縦に並べる方が管理しやすいです。週の変わり目でシートをコピーして日付を更新するルールにしておくと、2〜3ヶ月後に過去の調整記録も参照できます。
Spirで候補日提示からの自動確定を実現する
スプレッドシートで全体管理ができたら、次は候補日の提示方法を変えます。メールに候補日を羅列して送る方法から、「Spir」を使ったURLシェア方式に切り替えることで、返信を待つ手間と確認の手間を同時に省けます。
Spirの基本的な流れはシンプルです。アカウント登録後、自分のGoogleカレンダーと連携します。次に「イベント作成」から候補日を選び、自動生成されたURLを相手に送ります。受け取った相手はURLをクリックして都合の良い時間を選ぶだけ。選択と同時に双方のカレンダーに予定が入り、調整完了のメールが届きます。
アカウント登録はGoogleアカウントがあればすぐできます。無料プランでも月に5件までの日程調整ページを作成でき、1件あたりの設定は2〜3分で完了します。

Spirを使うことで、通常3.5往復必要だったやり取りが1回の送信で完結します。メールで「来週の月水木の午前中はいかがでしょうか」と送り、「水曜は会議があります、では木曜10時はどうでしょう」「では木曜10時で」というやり取りが、「このリンクから都合の良い時間をお選びください」という1文で置き換えられます。
Spirの有料プランでは以下の機能が使えます。
| 機能 | 無料 | 有料(月額550円〜) |
|---|---|---|
| 候補日ページ作成 | 月5件まで | 無制限 |
| グループ調整 | 不可 | 可能 |
| カスタムURL | 不可 | 可能 |
| カレンダー連携 | Google / Outlook | |
| 自動リマインド | 不可 | 可能 |
月に20件以上の面談調整をしている担当者なら、有料プランへの切り替えを検討する価値はあります。月額550円で節約できる工数を考えれば、コストパフォーマンスは明確です。
Spirで最初に設定しておくべきこと——①Googleカレンダーの「予定あり」時間帯は自動でブロックされるよう設定する、②会議時間のデフォルト(30分・60分など)を決めておく、③確定後の通知メールに使う言語と文面を調整する。
TimeRexでGoogleカレンダー連携の自動化を進める
Spirと並んでよく使われるのが「TimeRex」です。両ツールは似た用途ですが、細かい設計の思想が異なります。TimeRexはGoogleカレンダーとの連携に特化しており、特に「複数のカレンダーを統合して管理したい」「繰り返し発生する面談の枠を事前に設定しておきたい」という用途に強みがあります。
TimeRexの初期設定は3ステップです。
① TimeRex公式サイトからGoogleアカウントでログイン
② 「スケジュール設定」で面談可能な時間帯を指定(例:月〜金の10:00〜17:00で30分枠)
③ 発行されたURLを署名やメールテンプレートに組み込んでおく
URLを一度発行すれば、同じリンクを繰り返し使い回せます。「面談希望の方はこちらからご都合の良い時間をお選びください」という文言と一緒にメールや候補者管理システムのプロフィール欄に貼り付けておくだけで、問い合わせのたびにカレンダーを確認する手間がなくなります。
| 比較項目 | Spir | TimeRex |
|---|---|---|
| 無料プランの制限 | 月5件まで | 月10件まで |
| 固定URLの発行 | 有料プランのみ | 無料プランで可能 |
| Googleカレンダー連携 | 対応 | 対応(複数カレンダー統合) |
| Outlookカレンダー連携 | 有料プランのみ | 有料プランのみ |
| グループ調整(複数人) | 有料プランのみ | 有料プランあり |
| UIの日本語対応 | 完全対応 | 完全対応 |
| 料金(有料・最安) | 月額550円〜 | 月額880円〜 |
TimeRexの無料プランは月10件まで使えるため、試験運用をするならTimeRexから始めるのも良い選択です。Spirは件数制限が月5件と少ないため、ある程度の件数を見込むなら最初から有料プランを検討することになります。
TimeRexでは「バッファ時間」の設定ができます。面談と面談の間に必ず15〜30分の余白を確保する機能で、連続面談による疲弊防止と移動・準備時間の確保に効果的です。設定はスケジュール詳細の「前後の空き時間」から変更できます。
スプレッドシートとツールを連携させて自動転記を実現する
SpirやTimeRexで面談が確定したとき、その情報をスプレッドシートの管理シートに手動で転記しているとしたら、それ自体が新たな工数になってしまいます。「Zapier」や「Make(旧Integromat)」を使えば、この転記作業を自動化できます。
Zapierでの連携例(TimeRex→Googleスプレッドシート)は以下の流れです。
① ZapierでTimeRexをトリガーアプリとして選択
② 「新規予約が確定したとき」をトリガーに設定
③ アクションにGoogleスプレッドシートを選択
④ 転記する項目(日時・候補者名・担当者など)をマッピング
これで面談が確定するたびに、管理シートの新しい行に自動で情報が追加されます。ステータスは「確定」で自動入力するよう設定しておけば、条件付き書式の色分けも即座に反映されます。
Zapierの無料プランは月100タスクまで使えます。月に100件以内の面談調整であれば、追加費用ゼロで自動転記が実現できます。
MakeはZapierよりも複雑な自動化に向いており、月1000回の操作まで無料プランで対応しています。Zapierで物足りなくなったらMakeへの移行を検討してください。
ChatGPTを使った候補日メールの自動下書き
日程調整ツールを使えない相手——高齢の求職者や、スマートフォンの操作に不慣れな方——には、依然としてメールで候補日を提示する必要があります。このとき、ChatGPTを使えば文面の作成時間を大幅に短縮できます。
以下のような指示文を用意しておくと、毎回一から書く必要がなくなります。
指示文例:「以下の条件で面談候補日のご案内メールを書いてください。宛先:40代男性の候補者様(初回面談)。提示する候補日:来週月曜11時・水曜14時・金曜10時。面談方法:Zoom(URLは後送)。所要時間:45分。丁寧な敬語で、100字前後に収めてください。」
この指示を入れると、自然な日本語の案内メールが数秒で生成されます。あとは候補者名とZoom URLを追記するだけで送信できます。テンプレートを保存しておき、日時と相手の属性だけ変えて毎回使い回すと、さらに効率が高まります。
候補者がツールを使えない場合の現実的な対応方針は、「ツールを強制せず、担当者側だけが使う」という考え方です。候補者から送ってもらった候補日を、担当者側でTimeRexやスプレッドシートに手入力して管理する、というハイブリッド運用も現実的な選択です。100%自動化しようとして挫折するより、部分的に自動化して継続できる方が成果につながります。

「ツールを使えない相手がいる」は自動化の停止理由にならない。ツールを使える相手との調整だけでも件数の6〜7割を占めるなら、その部分の自動化だけで週2〜3時間の節約が生まれます。全員対応できなくても、導入の価値は十分あります。
段階的な導入ステップ——まず一つ、動かしてみる
面談日程調整の改善を「全部一気にやる」と考えると動けなくなります。以下の3段階で進めることをおすすめします。
ステップ1:スプレッドシートの枠管理シートだけ作る(所要時間:1〜2時間)
既存のエクセルやメモをGoogleスプレッドシートに移行し、ステータス列のドロップダウンと条件付き書式を設定します。チームで共有URLを使って全員が同じシートを見られる状態にするだけで、二重予約と情報の分断がほぼなくなります。
ステップ2:TimeRexかSpirで固定URLを発行する(所要時間:30分)
アカウント登録→カレンダー連携→スケジュール設定→URL発行という流れで、初回は30分あれば完了します。発行したURLをメールの署名と候補者管理システムのプロフィール欄に追記するだけで、以降の調整コストが変わります。
ステップ3:ZapierでTimeRex→スプレッドシートの自動転記を設定する(所要時間:1〜2時間)
Zapierのテンプレートから「TimeRex + Google Sheets」の組み合わせを選ぶと、接続の設定自体は30分で完了します。転記する項目のマッピングを確認する作業込みで1〜2時間を見ておけば十分です。
| ステップ | 導入内容 | 所要時間 | 効果 |
|---|---|---|---|
| 1 | スプレッドシート枠管理 | 1〜2時間 | 二重予約・見落とし防止 |
| 2 | TimeRex/Spir URL発行 | 30分 | メール往復の削減 |
| 3 | Zapier自動転記 | 1〜2時間 | 手入力作業の排除 |
ステップ1だけでも週2〜3時間の節約になる職場は多いです。まずそこから動いて、効果を実感してからステップ2・3に進む判断をしても遅くありません。
実際に導入した企業の変化
人材紹介会社でのSpir・TimeRex導入事例はすでに複数の企業から公開されています。
株式会社Visionalが運営するビズリーチは、採用担当者向けにTimeRexとの連携を紹介しており、候補者との日程調整工数が「1件あたり平均20〜30分」から「5分以内」に短縮されたという事例をサポートページで紹介しています。
人材派遣会社での運用例では、週に40件以上の面談を回すチームがSpirを導入した後、「メール確認と返信作業に費やす時間が1日45分から10分以下に」という変化を報告しています。調整工数だけでなく、「返信が来ていない案件をリマインドする作業」がほぼゼロになったことが担当者の体感として大きかったと言います。
工数の削減は数字で見ると地味に見えますが、現場では「午前中に2〜3件の面談が実施できるようになった」という形で体感されます。調整に使っていた時間が、候補者との対話や求人マッチングに使えるようになるのです。
TimeRexのユーザー調査(2024年公開)によると、導入後3ヶ月以内に「日程調整の工数が50%以上削減された」と回答したユーザーは全体の68%でした。導入初月から効果を感じているユーザーも多く、設定の難易度が低いことが要因として挙げられています。
「面談調整で午前が終わった」という日を終わらせるために
日程調整の改善は、派手なシステム導入でも大規模な体制変更でもありません。スプレッドシート1枚と無料ツールのURLから始められる、今日から動ける改善です。
週に何時間を調整メールに費やしているか、一度正直に計測してみてください。その数字が見えたとき、変えようという意欲が生まれるはずです。
「ちょっと聞いてみたい」だけでもOK! ツールや業務効率化についての相談をすべて1対1で丁寧にお答えします。 まずはお気軽にメッセージをどうぞ!LINE公式アカウントはこちら!
地道ラボでは、こうした業務効率化の相談をLINEで承っています。「どのツールから始めればいいか分からない」「スプレッドシートの設計を一緒に考えてほしい」という段階からでも対応しています。
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大げさなコンサルティングではなく、明日から試せる具体的な一歩をお伝えするのが私たちのスタイルです。
面談調整に使っている時間を、本来の仕事に戻していく取り組みを、今日ここから踏み出しませんか。
次の一歩として、まずは「今週の面談件数と調整にかかっている時間の概算」を一つ教えてください。その数字をもとに、あなたの職場に合った改善の順番を具体的に提案します。


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